塗装の塗り替え時期

塗料雑談第7回は、塗替え時期についてです。

以前、塗料の種類について解説をした際に、各塗料の一般的に言われている耐久年数についても触れました。それが以下の通りです。

アクリル樹脂:5年~8年

ウレタン樹脂:8年~11年

シリコン樹脂:12年~15年

フッ素樹脂 :15年~20年

しかし、塗膜の劣化のタイミングは、塗装場所や(屋外、屋内、屋根 等)、下地の種類(木部、鉄部 等)、水性、溶剤など様々な条件によって変わっていきます。

では、実際塗り替えをする時期はいつ頃なのか。今回はそのタイミングについて解説します。

実際に塗装をして、それが劣化していく経過は以下の順番になります。

①艶が消える⇒②色があせる⇒③チョーキング現象⇒④ひび割れ⇒⑤塗膜が剥がれる

③のチョーキング現象とは、塗装されている面を指でこすると、塗料がまるでチョークの粉のように指につく現象のことをいいます。
一般的に塗替えのタイミングはこのチョーキング現象の辺りになります。

④のひび割れや、⑤の塗膜が剥がれるところまで行くと、素地がむき出しの状態になるので、塗装物本体(建物自体 等)が劣化していく危険があります。そうなると、塗装以外にもその劣化した素地の処置も必要になっていきますので、手間も費用も余計にかかることになります。

その他、代表的な塗替え時期の症状を紹介します。

・塗膜のふくれ

素地との密着不良や、雨水等の水分が影響しています。
そのままにしておくと素地の劣化につながります。

・コケ、カビの発生

雨水や湿気などの影響で発生します。そのままにしておくと素地の耐久性が悪化します。
また、屋根の場合は雨漏りなどの原因になります。

・コーキングの劣化(亀裂 等)

素地の内部に水が入らないように目地、継ぎ目等に埋め込まれています。
ゴムのような弾力のある素材ですが、劣化すると痩せたり(縮み)、亀裂が生じたりします。
そうなると、素地に水が入り、劣化や腐食の原因になります。

・鉄部のサビ

鉄が、空気中の酸素と反応して酸化鉄になった状態です。
そのままにすると、腐食の原因になります。

塗装の目的は、被塗装物の美観、保護、機能性の付与にあります。
その目的が失われた、あるいは失われる直前に塗り替えるのが塗替えのタイミングということではないでしょうか。